The Get Up Kids 1995-2005 DISCOGRAPHY

Four Minute Mile
(1997)
初めてゲットアップキッズと出会ったファーストアルバム

ゲットアップキッズをまだ知らなかった僕は、ある雑誌でミッシェルガンエレファントのチバが、このアルバムを紹介していた記事をたまたま読み、チバが言うならという軽い気持ちでこのアルバムと出会います。(音楽雑誌じゃなかったように思う)。

誰もが子供のときは、何も考えず、ただがむしゃらに突っ走る。
そんな一方向で真っ直ぐな感情を奮い立たせてくれる疾走感を持ち合わしたアルバム。
当時まだ十代だった僕は、この青い疾走感にやられ、また他のパンクバンドには無かった弱さが引っかかっていました。

よくファーストアルバムには、そのバンドのその後を左右するモノが内封されているものですが、ゲットアップの場合は、ありのままを切ないメロディーに乗せることによって、より感情的に伝わる楽曲にするモノが備わっていました。

 


Something To Write Home About
(1999)
ゲットアップがもつ激しさの中にあった美しく切ないメロディー
そのメロディーがジェイムス・ドゥウィーズというキーボードの加入により、
激しさとの絶妙のバランスが生まれる

 
ファーストにあったヒリヒリした感覚が、その摩擦で削ぎ落とされたかのように丸みを帯びた温かいアルバム。
 音質に潤いがあり、ジェイムスの鍵盤が加わってかミディアムテンポの曲が心に残ります。
 そして、最も印象的だったのが、Vo.のマットの声。ファーストではそれほど気に留めなかった声が、メロディーの際立ちによりその良さが引き出された。
 透明感があるのか、枯れているのか。子供なのか大人なのか判然としないその声は、言い表し様がありません。
 子供っぽい大人。大人に憧れる子供。そのノスタルジックな思いが声質によって感じられることに、本当に胸を締め付けられました。
 
  「大人らしく決まった仕事を片付けることもあれば / 子供っぽく何にでも叫んでしまうこともある」
                                    (#8 : My Apology)

しかも、このマットが歌うのはラヴ・ソングばかり。恋人からの電話を待っているときの気持ちや、デートの帰り道、彼女が髪をかきあげる瞬間とか、そんななんでもない一瞬のシーンに視点が向けられたものが多い。
 そして、ゲットアップ自身、この大人でも子供でもないほんの一瞬、この一瞬を描くことに徹底的にこだわっているように思う。裏を返せば、大人であっても子供であっても、その一瞬を大切にしなければならないという決意が込められている。

*この2ndからジャケットに、トラヴィス・ミラードという人物のアートワークが加わる。
感情のあるはずのないロボットが、まるで人間のように寄り添い音楽を聞いているこのジャケット。
「A.I」という映画があったが、それと同じような世界観を描いているように思う。
無機質であるロボットのその姿は、本当に切ない。



Eudora
(2001)
セカンド『something to write home about』での成功を受けて編集された、Bサイド/レアトラック集といった趣の企画アルバム

聴き所は『something~』に収録の「I'm A Loner Dottie, A Rebel」のバージョン違い(アルバムやライブではもうちょっと遅め/重めのアレンジ)とピクシーズのカバー「Alec Eiffel」か。既出曲の別バージョンとデビッド・ボウイ、ニュー・オーダー、リプレイスメンツ、モトリー・クルーなどのカバー曲が大半を占めているので、コアファン向けかなあ。でも彼らの場合レパートリーのほとんどがアルバムに入ってしまうため、逆にこれらのカバー曲には多少ラフというか風通しの良い雰囲気があって、それが皮肉にも彼らの作品中もっともポップでカラフルな印象を与えるアルバムに仕上がっているように思う。

このアルバムが世に出た頃、ゲットアップキッズというバンドに出会いました。
今でも一番大好きなアルバムです。



On A Wire
(2002)
2ndで独自のサウンドを手に入れ成功したゲットアップキッズ
しかし、バンドはそんな世間の反応とは裏腹に、あえてワイヤーの道を選ぶ

かつての激しさは消え、ノスタルジックな雰囲気に深みが増す。また、フォークやカントリー、ロカビリーといったものに傾倒した楽曲は、マットのソロワーク、また自身も語ったジョニー・キャッシュやキンクスによる影響が大きい。


*ゲットアップキッズの曲には、ワシントン、マサチューセッツといったアメリカの地名が出てくる曲がある。このアルバムにも、「Campfire Kansas」という曲が収録されていて、ゲットアップ
キッズの地元に対する愛が感じとれる。アメリカ版キンクスというは少し言い過ぎかな。



Guilt Show
(2004)
過去3枚を生かした集大成的ラストアルバム

これを聞いたとき、まさか解散することになるとは思いませんでしたが、正直ラスト2曲の終わり方が気になっていました。
音は見事にゲットアップキッズの全てを融合させたもの。


*ゲットアップキッズのジャケットは、毎回その音よく表したものになっている。
(1stは疾走。2ndは切なさ。3ndは郷愁。)
ラストアルバムのステージのジャケットは意味があるのか、ないのか。ある様にも見えるし、ない様にも見える。
                           
また、日本のハスキング・ビーとの交流もあったゲットアップキッズ。国は違えど、同じスタイルのバンドが同じ時期に解散をするというのは、これまた皮肉なことです。
                                                             


◆1,2,4,5-TAKE(CARAVAN) / 4-NORO(Magic Moment)◆

cafe CARAVAN

カフェなのかレストランなのか喫茶なのかよくわからないドライカレーとコーヒーとレコードのお店です。

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